【セン】つ、ついに私も弓を打つのね!
【デビ】弓を打つ?? 「弓を打つ」って専門用語で「弓を作る」って意味なんだぜ。センさんはいきなり弓を作るのー。
【セン】ブ〜〜。そんなわけ無いでしょ。的前で弓を引くの!
【ボカ】弓道用語には間違いやすい言葉もたくさんあるが、デビみたいに揚げ足を取るのは気分が悪いな。正しい言葉なんて時代によって変わっていくのだからこだわり過ぎるのはナンセンスだ。仮に間違いがわかっても意味が通じるなら無視した方がいい場合が多いぜ。尊敬できる先輩・師匠が正しい言葉を使っていれば正しい言葉が伝わっていくものだ。まずは自分だ。
【デビ】はーい、気をつけまーす。
【デビ】弓の重い、軽いはよく掲示板で見かけます。気をつけてお使いください。 「私は弓が15kgと結構重いほうなのですが…」っとか言うと、15kgもの重量の弓かと誤解を受けるかも!?
【デビ】弓手と言ったら「矢手」とか「筈手」と言ったほうがしっくりくる。妻手と言ったら「夫手」と言ったほうがしっくりくる気がするのだけど、どうなのよ?
【ボカ】って、勝手に日本語を変えない。
言葉は人が使って変わっていくものだから将来変わる可能性はあるが、今の言葉も過去からの積み重ねで残っているのだ、歴史ある言葉をしっかり覚えておこう。
※勝手の説明について以前は『勝手に離れる「勝手」』と記載していたので指摘により修正(07/01/21)。
弓礼・弓法問答集 P18一般的に「座」とは、その位置を示しており、「坐」は、すわる動作を表しています。
- [座]・・・本座、定めの座、上座、下座
- [坐]・・・正坐、跪坐、坐射礼
【デビ】じゃぁ、「座射」って書いたら間違いなの?
【ボカ】いや、そうとも言いきれない。「座」は常用漢字に入っていて、「坐」は入っていない。常用漢字とは「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」ということなので、新聞・雑誌などでは「座射」でも良いのかもしれない。ただ、弓道人向けの書籍・WEBなどを専門書として考えれば「坐射」が正解。筆記試験でもこちらが好ましいだろう。出来ればそこまで理解して使ってほしいものだ。
【デビ】「矢束」という言葉が2つの意味に取れることが問題。1つが「矢束=矢尺」、もう一つが「矢束=引き尺」。
言語的に考えれば尺も束も単位の一つなので、「矢束=矢尺」として同一の表現にもとれる。ただ、弓道界では「矢束=引き尺」として「矢束≠矢尺」と区別する傾向が高く、非常にグレーな存在である。掲示板など言葉だけのやり取りになる場合は1つの意味にしかとれない「矢尺」「引き尺」を使った方が誤解が生じにくい。
ただし、引き尺はアーチェリーからの逆輸入された言葉で昔からの文献には存在しない。
ちなみに1尺=10/33m (約30.3cm)、1束=親指以外の4本指を並べた幅(正式なメートル法への換算は無い)
【セン】パソコン・携帯では文字が潰れて「たけかんむり」だか「くさかんむり」だか区別できないわ!
【デビ】まぁ、弓道は竹に関連する部材が多いので「たけかんむり」っと覚えておきましょう。でも籐は竹の仲間じゃないので誤解しないでね。
【デビ】世の中では技術本全般を「教本」と言いますが、弓道で「教本」と言えば、全日本弓道連盟が発行する弓道教本(特に1巻)を指す事が多いです。
「〜〜っと教本に載っていたけど」と書くと通常は「〜〜と弓道教本に載っていたんだな」ととられます。仮に他技術本に載っている話だとすると「そんな話は弓道教本には書いていなかったが…」とお互いの意思疎通が妨げられますので気をつけましょう。
【デビ】「矢こぼれ」という言葉が上記3つの意味に取れることが問題。(多くが、「箆こぼれ」のことのようだが、利用者によって認識が異なる)
掲示板など言葉だけのやり取りになる場合は1つの意味にしかとれない「筈こぼれ」「箆こぼれ」「空筈」を使った方が誤解が生じにくい。
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